仮想通貨

「仮想通貨」と呼ぶことが多いビットコインですが、主に「暗号通貨」とも呼ばれます。通貨や貨幣という言葉は、けつこういいかげんに使われますから、どう呼ぶかは自由だと認めないと仕方がないでしょう。問題は、本当に「通貨としての要件を満たしているか?」です。もっとも、これもかなりあいまいな話になります。統計などでは、ビットコインは通貨とされておらず、日本政府はビットコインをモノとして扱う方針です。しかし、通貨の定義に当てはめれば、2014年春の時点ですでに「通貨である」とみることもできます。限定的に通用しているだけの通貨であり、「通貨でない」ともいえます。この答えに納得できない人もいるでしょうが、そもそも通貨とはなにかをきちんと考えること体が、金融の専門家にとってもむずかしいのです。

通貨の機能としてよく挙げられるのが、「支払手段」「価値尺度」「価値保蔵」の3つです。なにかのモノを買ったり、借金を返済したりするときに、その通貨を支払って決済を完了させることができるなら、それは通貨です。ただし、ある程度以上の範囲の経済取引の決済に、一般的に使えてこそ、通貨です。ですから、通貨の基本機能のひとつは「一般的な決済手段」であり、逆方向にみれば、「通貨とは、一般的な決済手段に使える資産のこと」と定義できます。

経済活動によって生み出された価値を、ある程度の期間蓄えておくことも、通貨に求められる重要な機能で、これを価値保蔵と呼びます。価値保蔵の要求レベルはいくつかの段階に分けられます。通貨が誕生してから長い年数、価値が目減りしやすい通貨もあれこれと使われてきました。たとえば、重さで価値が決まる硬貨が摩耗すれば、その分だけ価値も減ります。昔は、ある程の目減りを覚倍した価値保蔵機能で妥協するしかないことも、多かったといえます。